年間収支はプラスなのに、1月に17.5万円出ていく?空室時の資金繰り表

空室時の家賃入金、返済、支払月を確認するためのマンション模型、カレンダー、費用明細、計算機のイラスト 不動産投資の基礎知識

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収支表の一番下は「年間プラス」。それでも、退去した月に返済と修理代が重なると、口座のお金は先に減ります。購入前に確認したいのは、年間の合計だけでなく、どの月に、いくら入金がなくなり、いくら支払うのかです。

ここでは1室の空室を想定し、入出金を月別に並べます。利回りの比較ではなく、支払時期を確認するための計算です。

この例で計算する費用・しない費用

次の条件を仮定します。相場を示す数字ではありません。

  • 入居中の家賃入金は月10万円。1月は空室で0円、2月から12月は各10万円が入金される。
  • ローン元利返済は毎月6万円、管理組合へ払う管理費・修繕積立金は合計毎月1.5万円。空室中もこの例では変わらない。
  • 1月に、貸主が負担すると確認済みの修理・募集費を合計10万円支払うと仮定する。敷金との精算や借主負担の回収は計算に入れない。
  • 固定資産税、保険、賃貸管理の委託費、所得税等、そのほかの支出・入金はこの計算に含めない。実際にゼロという意味ではない。

以下の「収支」は、この限定した項目だけの現金収支です。投資全体の利益や税務上の所得ではありません。実物件を検討するときは、除外した項目の金額と支払月を追加してから判断します。

年間プラス10万円でも、最初の月は17.5万円の持ち出し

毎月の支払いは6万円+1.5万円=7.5万円。1月だけは修理・募集費10万円も加わるため、入金0円に対して17.5万円の支払いになります。

計算開始時に、この例の支払いに充てられる現金が30万円あると仮定して、月末残高を追います。

表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。

架空例:月別の入出金と月末残高
月家賃入金毎月の返済・管理費等修理・募集費その月の収支月末残高
1月(空室)0円7.5万円10万円−17.5万円12.5万円
2月10万円7.5万円0円+2.5万円15万円
3月10万円7.5万円0円+2.5万円17.5万円
4月10万円7.5万円0円+2.5万円20万円
5〜12月の合計80万円60万円0円+20万円12月末40万円

年間では、家賃110万円−毎月の支払い90万円−修理・募集費10万円=プラス10万円。開始時30万円にこの10万円が加わり、12月末は40万円です。

一方、開始時の現金が10万円だけなら、1月の支払い17.5万円に対して7.5万円足りません。年末にプラスになる仮定でも、1月の支払いを待ってもらえるとは限らないのです。

表は月末残高です。同じ月でも引落日が家賃の入金日より早ければ、月の途中の残高は別に確認する必要があります。実務では入金予定日と各引落日も並べてください。

空室が長引いた場合は「入金開始月」を動かす

2月から必ず入居すると決めず、同じ条件で家賃の入金開始が1か月ずつ遅れるケースを並べます。ここでは修理・募集費10万円は各ケースとも1月に一度だけ支払い、追加工事や家賃変更はないと仮定します。

表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。

架空例:空室期間による資金差額
家賃が入らない月数年間家賃年間の限定収支空室期間中の支出合計
1か月110万円+10万円17.5万円
2か月100万円0円25万円
3か月90万円−10万円32.5万円

右端は、毎月7.5万円×空室月数+一度だけの10万円です。開始時30万円なら、3か月空室の仮定では、この範囲の支払いだけでも2.5万円不足します。

これらは起こる確率を示した予測ではありません。また「32.5万円あれば十分」という結論でもありません。税金・保険等の除外項目や追加修理を入れれば、必要な現金は変わります。

入金開始月を変えて、12か月の月末残高を見る

本文の限定した架空例を変更する計算欄です。単位は円。家賃は開始月以降毎月同額、毎月の支払いも同額、一時費用は1月だけに置きます。開始月13は年内の家賃入金なしです。税金・保険等の追加支出、月内の入出金順序、追加の空室は計算しません。






計算後、入力条件・結果・注意点をまとめてコピーできます。

管理会社へは、金額と「支払う日」を一緒に聞く

資料を見る際は、費用名だけを転記せず、誰の負担で、いつ請求されるかを確認します。

表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。

支払日と負担を確認する資料
確認したいこと見る資料・聞く内容
家賃の入金開始賃貸借契約、入金予定。フリーレントや送金日がどう反映されるか
空室中も発生する費用返済予定表、管理費等の通知、管理委託契約。最低料金や別料金の有無
修理と募集の一時費用見積書、発注条件、負担区分、支払期限。未確定額を0円で埋めない
税金・保険等実際の明細と納付・更新予定月。月平均に直して支払月を消さない
敷金などの精算返金義務や精算条件。預かり金を自由に使える準備金と混同しない

国土交通省・金融庁・消費者庁の2018年更新の注意喚起資料も、サブリース契約について、返済を含む事業計画やリスクをオーナー自身が理解する必要性を示しています。本記事の計算はサブリース収入を仮定していません。契約形態が違う場合は、実際の契約でオーナーに支払われる金額と時期に置き換えてください。

サブリース契約の入金予定を作る場合:家賃保証の金額・免責期間・費用負担を確認する契約表を使い、契約書で確認した入金額と時期を月別表に転記します。本記事の通常賃貸の架空例をそのまま使わず、未確認の金額・期間は「確認待ち」として残してください。

月内の入出金を日付順に並べる記入欄

月末だけでなく、支払う直前の残高を確認するためのメモです。次の形式をコピーし、入金・支払い1件につき1行を追加します。

欄を選んで全文をコピーし、ご自身のメモへ貼り付けて記入してください。

同じ日の入出金でも、順番が分からなければ「入金前に支払えるか」を別に確認します。不明額を0円に置き換えたまま、残高が足りるとは判定しません。

月末表から転記した金額は同じ支出です。このメモの支払額を、月末表へもう一度足して二重計上しないようにします。

まずは次の12か月の支払予定を埋める

式は「前月末残高+当月入金−当月支払い=当月末残高」です。まず現在の契約・見積書で埋め、その後に空室期間、入金開始日、修理費などを変えて確認します。不明な数字は「確認待ち」として残し、予定している現金を別の支払いにも二重に充てないようにします。

利回りと返済後収支の違いは、表面利回り・実質利回り・返済後収支の計算例で整理しています。資料がそろっていない場合は、購入前の6つの資料チェックリストから確認してください。

年間の数字を月別に分けると、「赤字か黒字か」だけでなく「支払日に現金が足りるか」を質問できます。予測を一つに決めず、条件が変わったときの不足額と確認先を残しましょう。

月内の資金繰りを記入して持ち帰る

既存の月末計算とは別に、入出金の順番と確認待ちを整理します。月末表と同じ支出を二重に加算しないでください。

この欄に送信・自動保存機能はありません。ページを閉じる前にテキストを保存できます。

印刷したい場合は、保存したテキストを開き、印刷してください。空欄は「未記入」として出力されます。

管理費の見積もりが違うときは、年額と支払月を分けて比べる

月別表に入れる管理費が「月額固定」「家賃の一定割合」「年払い」で提示されている場合は、まず同じ期間・同じ業務範囲で比較します。その後、実際に支払う月へ戻して資金繰り表に記入します。年額を12で割った比較用の金額を、そのまま毎月の支払予定にしないようにします。

管理費を同じ年額にそろえる比較例へ

比較後も、空室時の料金、最低料金、別料金、支払日は契約資料で確認待ちを残します。すでに月別表へ入れた費用を、比較表の合計としてもう一度足さないでください。

補足:計算欄に送信・保存機能はありません。記入したメモは、ページを閉じる前に手元へ保存してください。

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