「家賃保証9万円」でも年間108万円とは限らない?サブリース契約の確認表

家賃保証の金額・期間・例外を確認するための、マンション模型と契約資料、カレンダーの説明イラスト 不動産投資の基礎知識

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「毎月9万円の家賃保証」と聞くと、9万円×12か月=108万円で返済計画を立てたくなります。ただし、支払われない期間や家賃を見直す条件があるかを確認しないと、年間の受取額を決められません。

この記事では、サブリース方式でオーナーへ支払われる家賃を読むための確認表と、条件が違う場合の架空計算を示します。

誰と誰の契約かを先に書く

国土交通省の制度説明では、オーナーから業者が借り上げる契約をマスターリース契約、業者から入居者へ貸す契約をサブリース契約として区別しています。本記事は、主にオーナーと借り上げ業者の契約を確認する話です。

入居者が払う家賃と、オーナーへ支払われる家賃を同じ欄に入れないようにします。広告で見た金額がどちらか、手数料等を引く前か後かも確認します。

「保証」の横に、金額・期間・例外を書く

国交省の同ページは、家賃減額、業者からの契約解除、支払いの免責期間、オーナー側の修繕費負担などを説明すべきリスクとして挙げています。広告の短い見出しだけで判断せず、次の項目を契約書案と説明書面で照合します。

表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。

サブリース契約で照合する5項目
確認する項目書き出す内容質問の例
支払額オーナーが受け取る額、控除項目、入金日この額から別途差し引かれるものはありますか
支払われない期間開始時や入居者交代時などの条件・日数免責期間はどの場面で発生しますか
家賃の見直し時期、方法、通知、協議の手順次の見直しはいつで、根拠は何ですか
費用負担修繕、原状回復、設備交換などの担当と範囲家賃とは別に自分が負担する費用は何ですか
契約の終了業者側とオーナー側、それぞれの条件途中で終了する場合の条件と引継ぎは何ですか

解約できるか、減額請求が認められるかといった個別判断は、契約内容や法的な条件によって異なります。説明と書面の違いが解消しない場合は、契約を急がず専門家に確認する事項として残します。

終了条件は「通知」と「引継ぎ」を分けて質問する

国土交通省の上記案内では、契約書面の記載事項に更新・解除の定めと、契約終了時のサブリース業者の権利義務の承継を挙げています。月額の保証額だけでなく、次の質問への回答と対応する条項を控えておくと、終了後の管理を比較しやすくなります。

  • 誰が終了を申し出る場合の条件か。通知期限・通知方法・違約金の定めはどの条項か。
  • 終了後、入居者との契約、家賃の振込先、預り金や管理資料の引継ぎを誰が担当するか。
  • 説明された引継ぎ内容は、契約書面のどの条項に書かれているか。

業者側とオーナー側の解約条件を同一視せず、個別の契約と事情に応じて確認してください。(国土交通省の案内を2026年10月1日確認)

架空例:同じ9万円でも、入金月数で差がつく

次の架空の条件で、受取額の違いを比べます。

  • 当初のオーナー受取額を月9万円と仮定。
  • 比較用に、1年間のうち2か月は入金がない場合を置く。
  • 別の比較として、対象年の初めから月額が10%下がり8万1,000円になった場合を置く。
  • 返済と今回計上する固定支出を月7万5,000円、年間90万円と仮定。

表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。

架空例:家賃と入金月数による年間比較
仮定した条件年間入金今回の固定支出90万円を引いた額
9万円を12か月受け取る108万円18万円
9万円を10か月受け取る90万円0円
8万1,000円を12か月受け取る97万2,000円7万2,000円
8万1,000円を10か月受け取る81万円−9万円

表の右端は投資全体の利益ではありません。 固定資産税、保険、修繕、その他の契約費用、所得にかかる税などは、この架空計算に含めていません。実際の比較では、自分が負担する各費用を別に追加します。契約の免責期間が日単位なら、入金額もその条件に合わせて計算してください。

金額と支払い月数を別々の入力欄にすると、それぞれの影響が分かります。契約書にない条件を勝手に標準条件として入れないようにします。

年の途中で金額が変わるなら、期間を分割する

上の表は年初から減額する比較でした。別の架空例として、1〜6月は月9万円、7〜12月は月8万1,000円、すべて同じ月に入金されると仮定すると、9万円×6+8万1,000円×6=102万6,000円です。固定支出90万円との差は12万6,000円で、税・修繕等を引く前の部分的な資金差額です。

さらに1・2月が全額免責で、後からの支払いもない仮定なら、9万円×4+8万1,000円×6=84万6,000円、差額は−5万4,000円です。免責の2か月を「受取月数から除く」と「年額から再度引く」の両方で処理すると二重控除になります。

実際には、変更後の家賃が適用される対象月と入金日を契約で確認します。翌月払い等なら、対象月ごとの家賃を計算したうえで入金予定月へ配置します。減額通知の日をそのまま適用開始日や入金日として使わないようにしてください。

条件を変えて試す:入金額の期間別計算

契約の予測ではなく、上の架空例を自分で計算し直す練習欄です。月額はオーナー受取額として入力し、同じ控除を二重に引かないでください。対象は同じ12か月です。日割り・入金の遅れ・税金・保険・修繕等は計算しません。






月数の合計が12未満なら、残りは入金なしとして計算します。

未確認の条件は入力して確定値にせず、上の契約確認表へ戻してください。計算欄の値をサイトへ送信・保存する機能はありません。画面を閉じる前に必要な結果を手元へ控えてください。

年間収支だけでなく、入金のない月を確認する

年間でプラスでも、入金のない月に返済や費用の支払いがあれば、手元資金が必要です。月単位で「入金予定・返済・その他支出・月末残高」を並べ、どの月に資金が減るかを確かめます。

月別に書き出す方法は、入金と支払時期を並べる月別資金繰りの確認表で確認できます。リンク先は通常の賃貸を想定した別の架空例です。サブリースへ当てはめる際は、契約上の受取額・送金日・負担費用に置き換え、受取額から既に控除された費用をもう一度引かないようにします。

費用と返済を分ける基本は、表面利回りと返済後収支の計算例で説明しています。物件を比較する前にそろえる資料は、購入前の資料チェックリストも参照してください。

説明を受けたら、該当ページを残す

サブリース契約の確認メモをダウンロード(PDF・A4 1ページ)。印刷して手書きで記入できます。

計算して確かめる:年間入金と差引額の練習

本記事の架空例で練習します。ここでも、税金・保険・修繕等は計算に含めません。

1.月9万円、入金は10か月。固定支出は年90万円。差引はいくら?(考え方を開く)

入金は9万円×10か月=90万円。今回の固定支出90万円との差は0円です。12か月分の108万円を使うと、入金しない2か月分の18万円を数えてしまいます。0円でも、計算に含めていない費用があるので「損をしない」という答えにはなりません。

2.9万円を6か月、8万1,000円を4か月受領し、残る2か月は入金なしなら?(考え方を開く)

入金がある期間を分けて足します。9万円×6+8万1,000円×4=86万4,000円。固定支出90万円との差は−3万6,000円です。これは月単位で区切った架空条件です。実契約の日割り・控除・変更日をこの仮定で置き換えません。

3.「月9万円」としか分からない。年間108万円を確定欄に書ける?(考え方を開く)

未確認の条件が残るため、12か月入金を仮定した108万円と、確認済みの年間額を区別します。支払開始日、支払われない期間、見直し日、控除額を質問し、回答した人・日付・対応する書面のページをメモします。空欄を都合のよい数字で埋めないための確認です。

契約の5項目の確認表に戻る。実際の未確認事項は、下の記入ひな形に残せます。

スマホのメモ帳で使う記入ひな形

下のひな形をコピーし、ご自身のメモ帳へ貼り付けて記入できます。この欄はコピー専用です。分からない項目は推測で埋めず「未確認」と残してください。

契約書案と説明書面のページ番号、回答を受けた日、未確認の条件を記録します。「家賃保証だから大丈夫」という一言で、空欄を埋めないための作業です。

次の相談では、まず「オーナーに支払われる額」と「支払われない期間」の二つを、書面のどこで確認できるか尋ねてみてください。資料を読んでも条件を説明できない部分は、契約前に確認する質問として持ち帰ります。

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